作り手の想いTHOUGHTS OF THE CREATOR
優れた技術力で人々の安心安全を守る
ドライブレコーダーメーカーの先駆け
アサヒリサーチ株式会社

ドライブレコーダーの企画開発販売を手がけるアサヒリサーチ株式会社。高性能を誇るDriveman(ドライブマン)シリーズは、警察車両をはじめとして多くの現場で活用されています。代表の山田氏に、お話を伺いました。
- 創業から現在に至る経緯を簡単に教えてください。
もともとストロボを扱う会社のニューヨーク駐在員として11年ほど働いていたので、得意分野で1987年に起業し、1988年に自社ブランドのビデオライトPC-150を製造・発売しました。ドライブレコーダーの開発・製造を本格的にスタートしたのは2008年から。自動車メーカーに勤務している友人から現場の声を聞きつつ、手探りで作りはじめました。ドライブレコーダーなんて、まだまったく認知されていない時代です。当時は不良品も多く、試行錯誤の毎日でしたね。
当社を代表する製品の1つであるヘルメット装着型ドライブレコーダー・PS-9の初期モデルを製作したのは8年ほど前。東京都から派遣された技術者からの依頼で開発することになりました。警察専用の特殊な仕様を施しており、現在では警視庁だけでなく全国の都道府県警察の白バイ隊員に採用されています。

ヘルメット装着型のドライブレコーダーは国内ではじめての試み。警察車両用ですから、映像ファイルの暗号化や正確な時計機能、磁石で安全な着脱ができる等、厳しい条件をクリアしなくてはなりません。当社総力で開発にあたり、おかげで非常にクオリティの高い製品が完成しました。素晴らしい性能を一般の方にもぜひ体験していただきたく、現在では一般の方向けに仕様変更したBS-9bも販売しています。
ヘルメット装着型のメリットは、人の目の動きに合わせて撮影するのでさまざまな角度の映像が撮れること。車両から離れた場所で事故に遭っても、事故前後の様子を撮り漏れなく記録することができます。
- ドライブマンの特徴を教えてください。
当社の製品にはすべてDrivemanの名称がついており、事故記録だけを目的にした低画質なドライブレコーダーとは一線を画した第3世代のドライブレコーダーです。大きな特長は2つ、高解像度のフルハイビジョン/ハイビジョン録画ができることと、最大8時間の録画が可能な大容量バッテリーを搭載していること。バッテリー内臓型のドライブレコーダーは少なく、内装型は録画時間が3時間ほどと短いのが一般的ですが、ドライブマンは8時間の連続録画を可能にしました。事故や運転状況などのリアルタイムの運転を録画しつつ、過去のデータを古い順に自動的に消してく常時録画型で、現在のドライブレコーダーの主流になっています。
- 実際にどのような現場でどう活用されているのでしょうか?
我々が想定していなかった分野からご相談をいただくこともあります。例えば、鉄道会社では車両の屋根や底にヘルメット用ドライブレコーダーを取り付けて検査に活用していただいています。車両が安全・安定に走行するために、車輪踏面(車輪がレールと接する部分)の動きやパンタグラフの接触具合を検査する必要があり、これまではハンディカムなどで苦労しながら撮影していたそうです。ドライブマンは軽くて丈夫、磁石で着脱できて防水防塵、かつLEDを搭載していて暗いところを照らしながら撮影できるので、「従来は撮れなかった映像を簡単に撮れるようになった」と非常に喜ばれています。
このような使われ方をするとは当社でも想定しておらず、はじめて聞いたときは驚きました。ドライブマンの特長をうまく使いこなしていただいており、とても嬉しいですね。
- さまざまな商品を開発されていますが、アイデアのヒントはどこから?

実は、お客様からヒントをいただくことが多いです。例えば、ある建設会社から「工事現場の安全のためにヘルメットに取り付けるビデオカメラが欲しい」と要望をいただき、ヘルメット装着用ウェアラブルカメラ(SP-10)を開発しました。
工事用ヘルメットはバイク用に比べ軽いのでカメラも軽量化し、被ったときに重心が偏らないようカメラと記録装置を分離して付けられる仕様に。事故があったときの記録が撮れるのはもちろんですが、カメラがヘルメットに付いていることで不安全行動が抑止され、事故そのものを減らすことができます。
その後、ヘルメットを使わない業界でも活用できるよう、名札型の身体装着用ウェアラブルカメラ(NC-1)も開発しました。言わば”人に取り付けるドライブレコーダー”であるウェアラブルカメラは、今後さまざまな業界に浸透していくと思われます。
- 今後の展望などあれば教えてください。
当社の強みは、企画力とスピードだと思います。世の中にないものをスピーディーに企画・開発する力は他には負けません。その源にあるのは、挑戦力。何でもやってみようというチャレンジ精神で、幾多の失敗にもめげず、努力を続けてきました。
現在の主力製品は、ヘルメット装着型ドライブレコーダー、四輪用ドライブレコーダー、ウェアラブルカメラ、ソーラーパネル付セキュリティカメラ(IPC-710G)の4つ。IPC-710Gは、ソーラーパネルを電力に使った防犯ビデオカメラで、4GSIMカードでの通信やWi-Fiに対応しており、スマホアプリで遠隔地から撮影映像を見ることができます。
人々が安心安全に暮らせるために技術を活かすというのが当社のものづくりの根幹にあります。市場のニーズをうまく汲み取りながら、これからも人々に役立つ製品づくりに挑戦し続けます。
- 東京でものづくりをすることの楽しさやよい所を教えてください。
東京の最大のメリットは、開発の知力を養えることではないでしょうか。業界を超えたトレードショー(展示会)が年間いくつも開催されていて、東京にいれば出展も見学もいつでも気軽にでき、優れた技術を持つ企業や人と出会うチャンスが常にあります。
実際に、ソーラーパネル付セキュリティカメラは幕張メッセで開催された農業Weekに出展したことで農協からご縁をいただき、収穫期の果樹園の防犯装置としても活用していただくことになりました。新しいものを生み出すのに、東京ほど刺激的なところはないと実感しています。
製品詳細
PRODUCTS
アサヒリサーチ株式会社 開発事業者
https://www.driveman.jp/
※商品の詳細については、開発事業者にお問い合わせください